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素材を追求すること ~和紙にこだわり続けてきた7年間~
2018.06.12みなさんは日々の暮らしのなかで「これは便利なものだなぁ…」、「こんなものがあったらいいのに…」などと、モノについて思うこと、考えることはありますでしょうか?
現代の日本は、モノにあふれた時代だといわれますが、そんな時代にあっても、新しい商品は誕生しています。きっと今、この時間も、製作現場では、素材や製法について研究・開発が行われているでしょうし、昔も今も、作り手の気質というのは変わらないのだと思います。
このことは、アートの世界でも同じです。
みなさんはアーティストと聞くと「表現者」としてのイメージを思い浮かべる方が多いと思うのですが、美術分野のアーティストは表現者であると同時に、表現のために使用する道具や素材について考える「研究者」の一面を持っています。
西嶋も素材について考え、追求してきた作家のひとりです。
このブログに掲載している作品写真(花神 -アジサイ-)は、日本美術、日本画において伝統的に使われてきた素材「和紙」を用いていますが(白の模様部分が和紙です)、この和紙は紙の濃淡(厚み)の差で絵画を浮かび上がらせています。
7年前、西嶋は自身の表現を追求するなかで、自ら和紙を紙漉きしようと思い立ち、各地の工房を巡り、話を聞き、紙漉きを学び、自宅に楮(こうぞ)の木を植え、和紙を漉きはじめました。そして、和紙で絵画的表現ができないかを考え、通常の紙漉きでは用いない技法を使って新たな和紙を生み出しました。(この透かし和紙を私たちは「絵和紙」と呼んでいます。)
西嶋は、この絵和紙のほかにも、岩絵具、胡粉、金箔、漆など、日本の自然素材から生まれた素材についても過去に学び、新しい使い道がないかと日々探っています。こうした活動についても、またの機会にご紹介できればと思います。
西嶋豊彦事務所
竹田陽平 -
展示会のお知らせ「創と造2018」
2018.04.164月23日(月)より開催される「創と造2018 -現代日本絵画・工芸 新作展-」(東京・大阪・京都・金沢・名古屋の五都美術倶楽部共催)に出品しています。お近くにお越しの際は、ぜひお立ち寄りくださいませ。
4/23(月)-27(金)
東京美術倶楽部
〒105-0004 東京都港区新橋6-19-15 東美ミュージアム内 [地図]
Tel: 03-3432-0191
Web: http://www.toobi.co.jp/4/30(月)-5/2(水)
京都美術倶楽部
〒605-0064 京都府京都市東山区新門前通東大路西入梅本町263 [地図]
Tel: 075-551-1146
Web: http://www.kyobi.or.jp/5/7(月)-9(水)
金沢美術倶楽部
〒920-0905 金沢市上近江町61番地 [地図]
Tel: 076-262-0391
Web: http://kinbi.co.jp/5/14(月)-16(水)
大阪美術倶楽部
〒541-0042 大阪市中央区今橋2-4-5 [地図]
Tel: 06-6231-9626
Web: http://daibi.jp/5/21(月)-23(水)
名古屋美術倶楽部
〒460-0008 名古屋市中区栄3-12-13 2・3階 [地図]
Tel: 052-241-4356
Web: http://www.meibi.or.jp/5/25(金)-28(月)
東京美術倶楽部
〒105-0004 東京都港区新橋6-19-15 東美ミュージアム内 [地図]
Tel: 03-3432-0191
Web: http://www.toobi.co.jp/当展示会の作品購入はオークション方式となっており、どなたでもご入札いただけます。ご希望の方は美術倶楽部会場にてお申し付けください。(開札式は5/29(火)に東京美術倶楽部で行われます。)
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画廊えんじゅ オープニング企画展「槐花」
2018.03.28この春、4月3日(火)、京都・東山にオープンする「画廊えんじゅ」のオープニング企画展「槐花(かいか) 」に参加します。お近くにお越しの際は、ぜひお立ち寄りください。
展示期間:2018年4月3日(火)〜15日(日)
11:00〜18:00 (最終日のみ 11:00〜17:00)
※4月13日(金)には座談会(18:30〜19:30)があり、こちらにも参加します。
画廊えんじゅ
〒605-0028 京都市東山区三条通古川町入分木町76 [地図]
Tel:050-3557-1723
Web:https://www.galleryenju.com/ -
解放 〜HPリニューアルにあたって〜
2018.02.22本日2018年2月22日に西嶋豊彦は52歳を迎えました。
当公式HPのリニューアルは、本人たっての希望でこの日に合わせて準備を進めてまいり、先ほどオープンしました。
当サイトでは、西嶋豊彦が過去に発表した作品から、現在にいたるまでの作品および足取りをご紹介しています。小さな個人サイトではありますが、ゆっくりとご覧いただければ幸いです。
ところで、本日HPを更改しましたのには、52歳という年齢が鍵となっています。それは、西嶋が人間の在り方について大きく影響を受けたという彼の父親が52歳で癌告知を受けたことと関係しています。
先日、西嶋はこの日を迎えるにあたり、次のように話していました。
「父親は癌という病を抱えるまで、世のため、人のためと猛進してきた人だったのですが、癌宣告を受け、次第に家に寄り添うようになりました。その様子を見て、私はどこか寂しく感じたのを今でも時々思い出すのです。父親の立場を考えれば、当たり前のことですが、何かが大きく変わったんだろう…と。
幸いにも、今現在私は元気ですし、まだまだ叶えたい夢も目標もあります。そして、そこに猛進していきたい自分を感じています。
父親の代わり…というと少し違うかもしれませんが、私は、この52歳という年齢を、もう一度生まれ変わる、これまでの自分とは違った生き方をする、もっと解放させていく、ターニングポイントとしたいと思っているんです」
こうした想い、経緯からふだん、過去にあまりとらわれることの少ない西嶋が、この2月22日にこだわり、HPを一新すると決め、さまざまなことを一新していくために、これまでの作品や足取りをここにとどめ、また、今後の活動はこれまで以上に、公開(開放)していくことを決めました。
表題にも掲げました「解放」は、これから西嶋が発表していく作品の大きなテーマとなります。
今はまだ、その「解放」が、どのように表現されるのかわかりませんし、アートは人それぞれ感じるものなので、発表時に多くの説明はないかもしれません。
ただ、今年9月5日に控える東京・日本橋三越での個展に向け、「解放」をテーマに掲げた作品を制作中の西嶋がみなさまに新作をお披露目するのを本当に心待ちにしている、ということは、ここにご報告いたします。
長文お読みいただきありがとうございました。西嶋豊彦事務所
竹田陽平